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森永さん(4)

森永さんが予約してくれていたお店に到着しました。

 

カーテンのような布で囲まれた、半個室の綺麗でオシャレなお店でした。

ステキなお店だと、やはり女性は気分は上がりますよね。

いろいろ探して予約してくれたのかと思うと、とても有難いです。

 

ただ、席が狭い上にカーテンで仕切られたので圧迫感が…(笑)

そして向かい合わせなので、距離が近い…

その上、森永さんはニコニコしながらガン見してくるので…さらにツライ。

 

でも、メニューを選んでる時とかも対応が優しいので、「絶対にムリ!」とは思えませんでした。

森永さんは妹がいるらしく、私に対する接し方も「見守る系の優しさ」で、なんかホッと安心できるような。

私には男兄弟がいないけど、お兄ちゃんがいたらこんな感じなのかな〜、とボンヤリ考えたりしてました。

 

BABAさんは思ってた通りの人でした!

笑顔で声をかけてくれた時に、メッセージ通りのステキな人だ!って嬉しくなりました。

 

書くまでもないですが、この年齢まで残ってるわけなのでステキな女ではありません。

あの笑顔も、頑張って作ったものであって…

 

でも、有難いことに森永さんは気に入ってくれたらしく、そこからグイグイモードに突入しました。

見た目以外は何の申し分もない、ステキな人です。

女は想われた方が幸せだし、森永さんを好きになれたら一番良いはず。

 

薄暗い間接照明のお店だったので、長いこと話してるうちに、だんだん外見は気にならなくなってきました。

慣れてきたのもあったのだと思います。

 

何度も書きますが、決して森永さんはブサイクとかではありません。

うまく説明が出来ないのですが、なぜか私にとっては拒否反応が出てしまうのでした。

「生理的」という言葉は人に対して使うと失礼だと思うので使いませんが、頭ではなく身体が無意識に拒否してしまう感じです。

 

「じゃあ、やめておけば?」と思われるかもしれないのですが、それ以外は本当に申し分のない方だったので、中身が重視な私にとっては外見され慣れれば…という望みを捨てることが出来ませんでした。

 

なので、森永さんと話してる間も

『あっ、大丈夫かも!好きになれるかも!』

『あっ…やっぱり無理かもしれない…』

と、考えが交差しまくり、脳内はゴチャゴチャしてました。

 

男女共に、判断する時に考えるであろう『キスできるか?それ以上はできるか?』問題。

人間も動物ですもの。

そりゃ付き合ったり結婚する時には、この動物的本能のYESNO判断は重要です。

 

間接照明であまりハッキリ見えない状況の中で、「薄暗かったらいけるかもしれない…」と考えたりしていました。

 

そんな事を考えていた時

BABAさん、指キレイですね♪

僕ね、手がキレイな人って好きなんですよ〜

と、触れんばかりの感じで言われて、咄嗟にゾッとしてしまった自分がいました。

有難い言葉なはずなのに、ゾッとしてしまった自分に「やっぱりダメなんじゃ…」と思い直します。

 

そんな気持ちを行ったり来たりしながら、森永さんとの食事は終わりました。

 

 

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